犬のしつけ悠々趣味

悠々な学習法

最近では自治体や医療機関等、あるいは大学が、高校生(または中学生)を対象とした体験の場を提供してくれています。

一日医師体験、一日看護師体験、保育士体験、福祉体験学習などができます。こうしたチャンスを利用して、その職業の具体的な姿を知って、その上で使命感と責任感を持って受験に臨んでください。

受験生の大学選びにはじつにさまざまな選択基準があります。公開模試受験生へのアンケート「大学選びで重視する項目は?」。その回答で「非常に重視する」項目を多い順に並べるとこうなります(%は「非常に重視する」と答えた人の割合)。

①学部・学科の構成=52%
②入試難易度=37%
③キャンパスの雰囲気=36%
④就職状況=26%
⑤取得できる資格=35%

「学部・学科の構成」が圧倒的で、その次の項目はほとんど同じような割合で並んでいます。これに続くのは以下の項目です。

⑥校舎の立地
⑦入試科目・配点
⑧カリキュラム
⑨校風

ここまでが「非常に重視する」30%以上の回答です。

受験する学部・学科の構成とは大学で学ぶ内容の重視であり、入試難易度とは実際に合格できるかどうかという切実な関心事です。

前者は「入りたい」大学選び、後者は「入れる」大学選びといえるでしょう。「入りたい」と「入れる」の選び方が混在して上位にランクするのはどうしてでしょうか。

「学部・学科を非常に重視」する人のうちで、「入試難易度を非常に重視」する割合は42%です。逆に「入試難易度を非常に重視」する人のうちで、「学部・学科を非常に重視」する割合は60%です。

先ほど示した全員の回答割合よりいずれも高いのです。大学選びに真剣な人は、学部・学科の構成も、入試難易度も、両方とも重視していると考えられます。受験生の大学選びにおいて学部・学科選びと入試難易度への関心は相互排他的関係なのではありません。

考えてみれば当然のことです。自分の希望の実現は念じればかなうものではないし、頑張れば必ず希望はかなうと大人が言うことを鵜呑みにするほど受験生は楽天的にはなれません。

そもそも入試というものは、受験生が「入りたい」大学に「入れる」よう努力するというだけのことです。これを無理やり「入りたい」と「入れる」に分割して考えるのは不自然です。

受験生側も大学名でなく、自分の能力、適性や個性を仲ばす教育が行われているという基準で大学を選択すべきである。「入れる大学」ではなく「入りたい大学」、「よい大学」よりも「自分に合った大学」「やりたいことのできる大学」を選択する方向に意識と行動を転換すべきであり、それができる環境が整いつつある。(中敷審「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」 1999年12月)

ごもっともな話です。要するに「自分に合っている大学を探しましょう」と言っているだけなのですが、入れる/入りたい、よい/自分に合っている、をどうして対立事項・二者択一のように考えるのかは理解できません。

高校とは、自分の能力や適性を把握することが行われるというよりは、むしろ能力を伸ばし、適性に関わる多様な試み(挑戦あるいは試行錯誤)をするための時間なのではないでしょうか。

おそらくその試みは大学に入っても、あるいは社会に出てからも続くものです。